犬の分離不安症を改善する行動療法

犬の分離不安を改善する行動療法は、実は飼い主の治療がメインです

 

 

犬の分離不安を改善する行動療法が上手くいくかどうかは、飼い主の気持ちとやる気に左右されます。例外を除き、人の子供は成長と共に親から離れ自立していきますが、犬は人と同じようにはできません。

 

 

飼い主が犬を大事にしすぎると自立心が養われません。間違った愛情を注いで好きなようにさせていると、飼い主にひどく依存する犬になってしまい、飼い主から離れることに不安やストレスを感じるようになってきます。

 

甘やかして育てたのは飼い主ですから、犬がちゃんとした生活を送れるようにしてあげるのも飼い主の務めですよね。

 

 

犬の分離不安を改善する行動療法は飼い主の外出時と帰宅時における犬のパニックレベルを減少させることに焦点を合わせて行います。クロミカルムを犬に服用させて犬の不安を和らげる薬物療法と併用して行うと、犬の分離不安症を治すのに最も効果的と言われています。

 

 

犬の分離不安症治療には、薬物療法でクロミカルムを使います

 

 

外出前

外出前は犬を気にしないで放っておく・無視する

留守番をさせる犬が気になって外出前に犬を構いがちですが、外出する時は30分くらい前から犬に話しかける、犬と遊ぶ、犬に触れる、食餌を与えるなど犬に注意を向けることはせず、犬を無視します。可哀想に思いますが、構ってしまうと犬がその行為を飼い主の外出と関連付けて覚えてしまいます。

外出の際は何事も無いように静かに出かける

「じゃあ行ってくるよ。良い子で待っていてね。」何て言いつつ犬を撫でてから出かけてしまいそうですが、外出するそぶりを見せないよう、何も変わったことがないかのように静かに出かけます。

飼い主の臭いの付いた物や玩具を置いて出かける

飼い主の外出と良いことを関連づけるため、ご褒美などの何か特別なものを与えたり、犬が安心できるよう飼い主の臭いのついたものを置いておいたり、犬の気を紛らわせるためにお気に入りの玩具を与えます。犬が取り残されても楽しい気分でいられるようにしてあげることが大切です。

 

帰宅後

犬の興奮が収まるまで放置・無視する

飼い主が帰宅すると犬は大喜びで尻尾を振りまくり、体中で喜びを表現してくれます。嬉しさのあまり吠えたり飛びついてきたりしますが、そこで「ただいま。良い子にしてた?」なんて言ってナデナデしてあげたり抱っこしたりしてはいけません。犬の興奮が収まり落ち着くまでは無視をして下さい。相手にするのは犬が落ち着いてからです。犬と遊ぶ時も、犬にねだられたからするのではなく、飼い主主体で始めと終わりを決めます。

 

悪戯や粗相をしていても叱らない

留守中に犬がいろんな悪戯をしていたり、カーペットやソファの上、廊下などトイレ以外で排泄をしていることがありますが、犬を叱らないでください。犬を叱る時は現行犯の時です。決めた場所以外でおしっこをしてしまった後に、粗相をした場所に犬の顔を押し付けてひっぱたいたり叱っても、犬は何故叱られているのか理解できません。やってしまったことは仕方がないので、淡々と後片付けするようにしましょう。

 

犬の独立心を育てる

コミュニケーションをよくとる

接するときは飼主主導で

外出しないときでも外出のふりを装う

 

 

 

犬の分離不安症を治す行動療法で大事なポイントを挙げましたが、実はこれって犬の治療ではなく飼い主の治療がメインなんです。 なぜだか分かりますか? 「なんだ、簡単ことじゃない。」と思ってしまいそうですが、意外に出来てない飼い主さんが多いんです。これを最低数か月は継続することで犬の分離不安が改善していきますが、家族全員で一貫して実践しなければなりません。誰か一人でも以前と同じことをする人がいると効果が無いので、家族全員で愛犬の分離不安を治すというう団結力が必要ですね。

 

 

愛犬が可愛くていつも犬に触ったり声を掛けたりして構っていませんか? こうしていると犬が甘えん坊になってしまいます。犬に独立心を持たせることが大切なので、犬を独りにする時間を多くしていきます。飼い主が家にいる時でも犬をゲージに入れて別な部屋に置いておき、犬がその状況に慣れて落ち着いて独りでいられるよう訓練します。時間を長くようなるべく一人にする時間を多くしていきます。

 

 

犬とのコミニュケーションをよくとると言うと、犬の独立心を養うことと相反しているようにも思えますが、ちょっと意味合いが違ってきます。あなたの愛犬は「来い」「お座り」「待て」「臥せ」ができていますか? 躾の基本ですが、飼い主への服従が出来ていない犬や、犬の躾ができていない飼い主さんは結構多いんです。「躾をすることが可哀想。」という飼い主さんがいますが、犬を服従させて誉めるということはコミュニケーションの一環でもあります。犬の好きなようにさせて甘やかすというのは可愛がるとは違いますので正しい理解が必要です。

 

 

愛犬がすり寄って来て、何かを催促するかのように前肢でカリカリしてきた時、あなたはどうしていますか? 「なんだよ〜、甘えてきているのか。甘えたさんだなあ」とヨシヨシと撫でたりしていませんか? 犬を突き放すようで可哀想に思いますが、犬から寄って来た時に撫でるのではなく、撫でるのも飼い主主導で行います。犬の要求に応えるのではなく、主導権は飼い主が握っていることを犬に分からせる必要があります。犬が興奮気味の時は要注意で、そんな時はそのままにしておきます。